Office365とGSuiteの比較と、ビジネスで利用するなら・・・

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いまや時代はクラウドの製品が多くなってきました

「時代はクラウドになってきたので、うちでもオフィス製品を導入したい」

そう考えている人は少なくありません。そんなとき、Office365とG Suiteが選択肢にのぼると思います。多くの業者が、この2つの製品を推薦しています。ですが、一体どちらがいいのでしょうか。クラウドを何に使うのか、そして、あなた自身が何を行いたいのかなどにも依存します。現在の業務が、いったいどの程度Office製品に依存しているのかなども、Office365とG Suite製品の選択を決定します。
今回は、このふたつの製品を比較して、企業にとってどちらが良いか、見ていきましょう。

  • 機能面に大差はない

Office365とG Suiteですが、機能面に大差はありません。
メール、スケジュール、ビデオ会議、オンラインストレージ、ドキュメント機能など、機能面での大差はありません。これだけでは、どちらがお薦めかは確定できません。
ですが、G Suiteは、アプリの挙動がクラウドで完結しています。そのため、OSに関係しておらず、スマホやタブレットからも使えますし、WindowsでもMacOSでも、同じドキュメントにアクセスが可能です。一方の、Office365は、完全にクラウドでの利用も可能ですし、アプリと併用することも可能です。ひとつのアカウントで、パソコン、タブレットやスマホ等どのデバイスでも対応できるのですが、アプリをインストールすることにより、より便利に利用することができます。

  • 価格面も、ほとんど同じ

気になる価格面も、G Suiteが通常プラン500円~、Office365が540円~と、ほとんど違いはありません。機能面はほぼ遜色ないですが、G Suiteはストレージのサイズが30GBで、一方のOffice365は1TBでかなりお得です。ですがこれは通常プランの話で、上位のプランになりますと、Office365が1TB、G Suiteは無制限になりますので、G Suiteの方が容量は無制限で使い放題ということになります。

  • オフィス製品が使えるという強み

Office365は、当然ですがMS-Officeの製品が使えます。ワード、エクセル、パワーポイントなどが使えるのが魅力です。そのため、業務でMS-Officeの製品を使う頻度が高い場合は、Office365のほうがスムーズに移行できます。Office製品を、何も加工せずにクラウド上で使えるのが最大のウリとなります。一方のG Suiteでは、ワードやエクセルなどを使うことができますが、表示上のズレ・崩れなどの問題は起きてしまいます。

  • Gmailが使えるという強み

G Suiteは、あのGmailが使えます。会社で使っていなくとも、プライベートでGmailを使っている人は少なくないのではないでしょうか。パソコンでもタブレットでもスマホでもアクセスができて、メール機能が非常に優れています。最高峰のスパムフィルターがついていて、迷惑メールは一切目につかなくなります。フィルタリング等、非常に優れており、一度使ったら他のメーラーには戻れないぐらい優秀なメールサービスです。
クラウドメールとしても、最高峰で、これ以上のメールサービスはないと言っても過言ではありません。G Suiteは、Gmailが使えます。これは大きなメリットと言っても良いでしょう。

  • データセンターの違い

クラウドとしてデータを保管する場所ですが、G Suiteは全世界に散らばっています。そのため、日本で大規模な地震などがあった場合に、データの消失のおそれがありません。反対にOffice365は、東京と大阪にデータセンターがありますので、大規模な直下型地震等があった場合に、データセンターが壊滅的なダメージを受ける可能性があります。
しかし、官公庁や大企業等は国内にデータを保存したがる傾向がありますので、そうしたデータを国内に保管しておきたいというニーズが強い組織では、Office365が選ばれる傾向があります。

  • セキュリティ

クラウドは、常にハッカーからの脅威に晒されています。実際に、Gmailは過去にハッカーによる攻撃を受け、ニュースにもなっています。GSuite、Office365ともにセキュリティ対策には多くの費用を投じて対策を講じている点は両サービスとも同じです。

一方で、セキュリティ設定に対するスタンスは少し違います。サービス全体で言えることですが、GSuiteは簡単な設定で誰でも利用できることが特徴で、Office365は技術者による非常に細かな設定がウリとなっています。Windows PowerShellというコマンドベースのツールを利用すれば、セキュリティのみならず、各種設定を細かくカスタマイズできます。

  • 中国での利用

これはグローバル企業において注意しなくてはならないのですが、G Suiteは中国でブロックされているため使えません。中国出張などがある企業は、中国でも使えるOffice365が選択肢になります。

  • 適用法令

ビジネスで利用する上で非常に重要になるのは、サービスを利用する際に適用される法令です。Office365は日本の法令が適用される一方で、GSuiteはカリフォルニア州法が適用されます。裁判になるような問題は滅多に発生しないとは思いますが、その点は利用する前に十分検討する必要があります。

  • まとめ:結局どちらが優れているの!?

トータル的に見て、どちらが優れているかは優劣がつけがたいところです。ですが、MS-Office製品への依存度が高く、セキュリティの細かな設定や適用法令を気にする場合はOffice365を使い、ベンチャーや中小企業などの小回りがきき、Office製品を使えなくとも問題がない企業は、G Suiteを使う傾向にあるようです。

全体的にみると、やはり日本でも海外でも安心して使えて、オフィス製品が安定して動作するOffice365のほうが、製品としては若干リードといったところでしょうか。実際に導入している企業もOffice365の方が多く、世界中で使われているサービスとなります。クラウドの製品はいろいろありますが、この2つは特に悩むところだと思いますが、ビジネスで使うのであれば、Office365の方が既存の仕事を邪魔しないので、業務にスムーズに適用できる可能性があります。